症状には意味がある | 薬で症状を抑えればますます治らない
症状にはどんな意味があるのか、考えてみたことがありますか?
何らかの症状が出て体調が悪い時には、病院で診察を受けますネ。
そんな時には、健康な時と比べて色々不快な症状が現れています。
代表的な症状としては次の3つがあります。
- 痛み
- 腫れ
- 発熱
確かにこの3つの症状は不快ですからね。もしこの不快さが無かったら、どんなに快適だろうかと、苦しい時にはそう思うものです。
この記事では、痛み、腫れ、発熱の症状の不快な面ではなく、病気を治すために、身体が頑張っている重要な反応だということを伝えます。
Contents
1.痛みの持つ意味って何?
「痛み」を単に不快で耐え難いものと捉えれば、痛みの持つ重要な意味を見落としてしまいます。
痛みの重要さがピンと来ないという人は、少し考えてみましょう。
もし、あなたに痛みの感覚がなかったらどうでしょう。痛みのない生活はルンルンで楽しい毎日でしょうか?
無痛症の人の苦しみ
その疑問に答えてくれる人がいます。100万人に1人の割合でいる「痛覚が無い」「無痛症」の人です。
「無痛症」は、先天的に痛みを感じられません。このように痛みを感じない人を羨ましがってはいけません。彼らは、長生きができない人達なんです。
無痛症の大変さを具体的に説明します。
無痛症は長生きが難しい
無痛症の人は痛みを感じないので、例え転んで骨が折れても平気です。高い所から転落して大けがをしても、車にはねられても痛みを感じません。
あなたには痛みの感覚があるので、転んで骨を折ってしまったら動けなくなり、治療をしてもらうでしょう。痛みが動いてはいけない、治療が必要なことを教えてくれているのです。
しかし無痛症の人は、命を失うような危険な事が起こっても、痛みを感じないから本人は死ぬ間際まで痛みで苦しむことはありません。
このような気の毒な人たちを見れば、痛みは、体に危険な事が起きている、治療が必要だと教えてくれる大事な感覚だとわかります。
痛みを鎮痛剤で抑え込んでしまえば、痛みは消えても、痛みを生じた原因はそのまま残っているので、裏に隠れている病気はそのまま進行することになります。
確かに、耐え難い痛みは心身を消耗させる側面を持っているから、抑える必要はあります。
でも痛みを抑えた次には、治癒反応を活発にして痛みを生じさせた原因を解決しなくてはなりません。実際にはそのような対応がされているかは疑問です。
2.腫れはどんな状態か?
腫れは炎症が起きている状態です。
炎症が起きて腫れているのは、腫れた部分の血流が良くなっている状態です。傷を治すには、大量の血液の中の大量の酸素や栄養が必要なのです。
もう分かるように、腫れも痛みと同じように体の悪いところを治す体の反応なんです。
腫れという治癒反応を遅らせる対策は良く行われている
そういった治癒反応を抑え込む事がよく行われています。
例えば、アイシング(腫れた部分を氷などで冷やすこと)の従来の考え方は鎮痛と炎症の予防改善です。
RICEの提唱者がアイシングと安静が治癒を遅らせている可能性を言及
RICEとは、
- R=レスト。休息。患部を安静にします。
- I=アイシング。患部を冷やして腫れを予防します。
- C=コンプレッション。圧迫して腫れることを防ぎます。
- E=挙上。患部を高くして腫れを予防します。
RESTは今でも行われている外傷に対する応急処置です。
しかし、最近になって「アイシング(I)と安静(R)が回復を遅らせているかも知れない」とRICEを提唱したDr.Gate.Mirkin自身が述べています。
彼は「治癒には炎症が必要」とホームページで述べていますし、アイシングで血流を減少させると、組織を死滅させて永久に神経損傷を引き起こす可能性さえあると述べています。
参考)http://www.drmirkin.com/fitness/why-ice-delays-recovery.html
腫れと痛みへの有効な方法は、負傷した部分を持ち上げて重力を利用して腫脹を最小限に抑えることです。そして圧縮包帯で軽く圧縮し、10分程度の短時間なら氷で冷やすこともそれほど害は無いとも言っています。
しかし、長時間の安静とアイシングは治癒を遅らせたり、取り返しのつかない神経障害を起こす可能性もあります。
ここまで書いてきて思いだしたのは、アトピー性皮膚炎の症状を治癒反応と提唱している人へのバッシングです。皮膚がただれて化膿している子供が可哀想だというもの。普通の人がそう考えるのも無理はないほど酷い皮膚の状態。
しかし、わが子のアトピー性皮膚炎の症状を治癒反応と信じてステロイドをやめ、遂には治癒させたお母さんを知っています。このお母さんに対する保健師さんなどの反応は、相当に批判的なものでした。しかし、遂にはわが子の肌をキレイにしてみせたのです。
3.発熱は治癒反応
体温が高くなると身体がだるくなり、活動することが苦痛になります。そんな時は、横になって身体を休めた経験は誰にもあるでしょう。
発熱は不快ですから嫌われます。でも、感の良い人ならもう分かるように、発熱にもこれまで2つの症状にあった治癒の働きがあるのです。
発熱は代謝を活発にして病気を治す身体の反応です
身体には、プロスタグランジンという組織ホルモンがあって、血管拡張による腫れ、発熱、痛みを出す働きを持っています。
これまで触れてきたように、不快ではあっても、痛み、腫れ、発熱は「身体の治癒反応」を起こすホルモンの働きなのです。
腰痛や、風邪による発熱、インフルエンザによる高熱、膝の腫れなどに対して、消炎鎮痛剤が処方されるのは、このプロスタグランジンができないようにして不快な症状を出さないようにするためです。
消炎鎮痛剤で、プロスタグランジンを作らず、痛みや腫れを抑えて楽になっても、治癒を妨げているという側面があります。治るにしても、遅くなってしまいます。
多くの人が、症状を薬で抑えると病気が治ったと勘違いするようになります。
症状を抑えるだけで、病気の原因はそのまま解決していないか見直してみましょう。
病院では医者も患者も、対症療法的に薬を飲み続けることを望んでいます。
高血圧だから降圧剤で血圧を下げる。血圧が下がる。そこで安心する。そして、多くの人が一生薬を飲み続ける生活を続けることになります。
高血圧の意味とは?
なぜ高血圧になっているのか?
その答えは、血圧を高くしないと全身に血液が正常に循環しないからです。それなのに降圧剤で血圧を下げるだけでは、必要な血液が全身に回らなくなってしまいます。
確かに余りに高い血圧は脳出血を起こしたり、腎臓の毛細血管を破壊するので、とりあえず下げる必要はありますが、血圧が高い原因そのものを解決しない限り、全身の血行は正常には保たれません。
繰り返しになりますが、病気の主な症状である、痛み、腫れ、発熱は不快なものですが、実は治癒反応だと気付くことが重要です。
それに気づけば、風邪ぐらいで、抗生物質を処方してもらって、免疫細胞や腸内細菌も殺してしまうようなことはしなくなります。
発熱は、免疫細胞が活発に働いて病気を治そうとしているサインだとわかれば、体温を下げないように、身体を温めて免疫細胞の働きを助けるようになるでしょう。
全身で免疫細胞が活発に活動できるように、食事を食べすぎて消化器官に血流を集中させることもなくなります。
猫を見習え
ワタシを見習って!ただじっと寝てることにも意味があるんよ。
猫に限りませんが、動物は具合が悪いと何も食べずただじっとしています。食べると血流が消化器官に集中して、免疫細胞が全身に回らなくなり治るのが遅くなるからです。
じっとして余計な体力の消耗もせず、薬も飲まずただじっとしている。こうした自然治癒力を発揮する生活を、私達も見習う必要があります。
そのためにも、痛み、腫れ、発熱など、症状の持つ意味を理解する必要があります。
難しくはないけど、薬で病気を治すという信仰をもっているだけになかなかやっかいです。
まとめ
病気や具合の悪い時に不快な痛み、発熱、腫れが症状として現れますが、これは病気を一生懸命治そうとしている、体の反応です。
下手に薬で抑えて、治癒を遅らせないようにしたいものです。本当に病気を治すとは、症状を抑え込むことではありません。