睡眠不足は生活習慣病の原因
睡眠が不足すると、脳や体が休息を得られず、疲労をもち越してしまいます。
そんな事、皆さんも経験があるでしょう。思考力や集中力が低下し、体はだるく、活力がわかなくなってしまいますね。
これでは、とても健康的とはいえない状態です。またそれだけでなく、興味深いことに、睡眠不足が続くと、生沽習慣病の危険因子のひとつである肥満をまねく可能性が高いことが、昨今の研究でわかってきました。
肥満に関わるホルモンと睡眠不足には関係がある
少し意外に思われるでしょうが、睡眠不足が肥満の原因になるよという話です。
米国.コロンビア大学が肥満に関わるホルモンと睡眠不足との関係を調べたところ(32歳~59歳の約1万人8千人を対象)睡眠が7~9時間の人に比べ、4時間の人は73%も肥満になりやすいという結果が出ました。
睡眠が少ない人はホルモンバランスが崩れ、食欲を抑えるホルモン(レプチン)がはたらかず、食欲をかきたてるホルモン(グレリン)が勝るため、肥満になりやすくなるのではないかと考えられています。
ダイエットにはしっかりと睡眠をとることが大事ということですね。
睡眠が5時間以下の人は心筋梗塞に要注意
また米国のハーバード大学の研究によると睡眠不足の人は心筋梗塞になりやすいのだそうです。
この研究は、45~65歳の女性約7万人を対象に10年間追跡調査を行つた結果からわかったことです。
同大学研究グループの報告によると、睡眠時間が8時問のグループと比べ、5時間以下のグループでは冠動脈疾患(心筋梗塞やそれによる突然死)の発生率は1.45倍高かったといいます。
また、睡眠時間が9時間以上のグループでも発生率は1.38倍と高い結果が出ています。
睡眠は量より、質が大事
では、健康を維持するには、1日の睡眠時間はどのくらいあればよいのでしょうか?
一般的に「理想の睡眠時間は8時間」?といわれますが、実はこの説には根拠がありません。また、適切な睡眠時問は人によつて異なります。
寝入りばなを起こされた経験がある人ならわかると思いますが、とても不快ですね。大切なのは時間よりも、目覚めた時に「ぐっすり眠れた」という感覚が得られるかどうかです。
つまり、「ぐっすり眠った」と感じる熟睡(ノンレム睡眠の第3、 4段階)が途切れずにある程度の時間続くこと、また、また、ノンレム睡眠の第1、2段階やレム睡眠が適度に現れ、そのリズムバターンが1晩の眠りで3~5回あることが重要です。
実際に、睡眠時間が6時間以下であることが習慣になっている「短時間睡眠者」と10時間以上が習慣の「長時間睡眠者」の睡眠の質を比べてみると、短時間睡眠者の眠りは、浅い眠りの時間が短く、すぐに熟睡状態になり、その長さは十分確保されるといいます。
また、長時間睡眠者は浅い眠りが長く、中途覚醒も多く、熟睡の長さは短時間睡眠者と差があまりないわけです。
質の良い睡眠の工夫についてはまた別記事で触れたいと思います。