自律訓練法や自己統制法の補助的な技術とコツ
副交感神経リラックス法を行うコツと補助的方法を説明します。
その前に、復習も兼ねて大事なことのおさらいをしておきます。
手のひらを腿の上に置けば、太い血管のある腿は本来暖かいので、手のひらには自然に暖かさを感じます。温かく感じようと努力する必要はありません。このことが意識的に努力せずに自然い温かく感じる体験になるんです。
自律神経リラックス法では、腿の自然な暖かさを利用して、副交感神経優位の状態を作り、やがては腿の上に手を置かなくても、手から肘、腕全体が暖かく感じるように調整します。その時にイメージを用いることで、より効果的にできるように工夫しています。
*注意してほしいことは、何度も同じことをいうようですが、「何としてでも暖かくしてやる」などと意気込まいということです。それは失敗の元になります。
そんな心構えはリラックスどころか却って緊張がひどくなります。 5分程度さりげなく訓練をしたら、物足りなくても、目を開け深呼吸しながら背伸びをして終了します。これは必ず守ってください。急がば回れです。 |
この方法は最初は静かなところで行いますが、暖かさを感じる範囲が両腕に広がるぐらいになってくれば、徐々に日常の活動の中でも動きながら同じ効果が得られるようになります。
今から試験がある、プレゼンテーションがある、デートの待ち合わせ時間になるなど、緊張場面に入る前にこの方法を行うことで、落ち着いてあなた本来の能力が発揮できるようになります。この方法を習得すればあなたの一生の宝になるのですから、ゆっくりと丁寧に焦らず楽しんでください。
Contents
(1) 心構え
心構えとして、注意を集中するのですが、あくまで受け身的に行うという事が重要です。たとえば「手のひらが暖か~い」と心で思ってもなんとなく手のひらに注意を持っていくだけです。暖かくしてやろうなどと能動的な注意の集中をしてはいけません。
言っていることは理解しにくいかもしれません。たとえば授業中に眠くなっている時に先生が何か喋っている。喋っていることは分かっているけど、そこに注意を集中せず何となく聞いているといったような感じでしょうか。
前にも書いたように、心の中で唱えても、向こうから効果が出てくるのを待つというような態度が重要なのです。間違っても「暖かくしてやるぞ」などと考えてはいけません。
(2) 手のひらの暖かさが自然に出てくるための補助
寒い時期には必ず部屋を暖めてから行ってください。床が冷たければ座布団で結構ですから、かならず足の下に敷きます。ホッカイロで手を暖めてから行うなどの補助を使えば、最初の導入はとてもやりやすいでしょう。
意識が手の暖かさに向かいすぎる人は、何となく自分の呼吸に注意を向けながら行うのも効果的です。リラックスできる音楽を流して行うのも良い方法です。音源を用意しています。
(3) 足から脚全体に暖かさが自然に出てくるための補助
事前のストレッチ、準備として行った緊張と弛緩を感じる方法を同時にゆっくりやりながら、自律神経調整法を行うなど補助的な方法を利用してかまいません。
(4) あまりに早く効果を期待しないこと
このリラックスのトレーニングを始めると、直ぐにストレスや緊張感、不安感が消えると考えないでください。早急に効果を期待すると、やりすぎたり、途中で投げ出すなど、宝物をむざむざと放り出すようなことになりかねないからです。
3週間後には多かれ少なかれ何らかの効果があるでしょうから、投げ出さず、やり過ぎずトレーニングを続けてください。
私は、やり過ぎてしまい、常に効果が出ているかどうかを確認しすぎるあまり、生活の中の一番の関心ごとになってしまったので、「さり気ない注意集中」が長くできなかったという失敗をしたので、老婆心から何度も繰り返し同じことを言ってしまいます。
(5)練習効果には波があります
一直線には上昇はしません。ちょうど上げ下げを繰り返しながら上昇すると思ってください。体のリラックスは簡単にできても、心のリラックスに至るのに多少の壁がある場合もあります。
体のリラックスを得られる人は、心のリラックスも必ず得られると信じて継続をしてください。
日常生活の中でリラックス感を持ち続ける
自律神経調整法により、手足の温感が広い範囲に感じられるようになれば、日常生活のちょっとした時間にリラックスをして持続するトレーニングをしてください。
仕事で疲れた昼休みのわずかな時間を利用して、手足の温感を感じられるようになります。
これも、仕事先でのことですから、忙しいときには無理をしないことです。無理をして行ってもりラックスできないからです。
少しゆったりとなれる時間がある場合に行っていけば、目を開けていても手足の温感を感じ、心身のリラックス感を感じられるようになります。他人のいる場は、人のいる場での実践となるのでとても有意義ですが、基本が身についていることが条件です。
これも性急に実現させようとせず、向こうから温かさが現れるまで、気長に待つという気持ちが重要です。
(2) 仕事やプライベートでの緊張場面
上達すると、緊張する場面に入る前に、リラックス状態が作れるようになってきます。これができるようになると、日常生活で、緊張が原因で本来やらなくてはならない事を、先伸ばしするといった事がなくなり、積極的に取り組めるようになるでしょう。
youtubeで体験する自律訓練法
諸注意を思い出しください。自律訓練法は「重い」から始まります。決して「重くする」のではなく、リラックスして「重さ」が現れるまで待つのです。決して強く思わない、期待しすぎないように。
やってみるとわかりますが「腕が重い」よりも「手のひらが温かい」方が楽に実感できます。自己統制法は「手のひらの温かさ」から始まるのはこのためです。必要に応じて「手のひらの温かさ」から始めてください。
男性の落ち着いた声とスピードが程よいです。暖かさから入ったほうが感じやすいかもしれません。21分もありますから5分程度で霧の良い箇所で背伸びをして止めてください。