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介護予防と適切な社会関係


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介護予防に大きな決め手があるとしたら、それは何でしょうか。

健康生活を全うするには介護予防という大きな課題に挑戦しなくてはならないのですが、
普通に考えても長生きすればするほど要介護になる確率は高くなることは理解できるでしょう。
認知症の発生率や寝たきりの発生率(65歳人口での計算)が高くなっていく原因は
75歳以上の後期高齢者の割合が増加していくからです。

 

超高齢社会(高齢者人口20%以上)に突入してしまった現在、
介護保険費の問題よりも長生きしたときの私たちの生き方がどんどん問われてきます。
誰も経験した事の無い超高齢社会に私たちは生きています。

人に必要とされるということ 

介護予防に限らず誰にとっても、出来るだけ自立した人間らしい生活をおくるためのポイントを一つ挙げるとすると
それは「適切な社会関係=人に必要とされている=役割がある」ということです。
それはなぜかと言うと、人間にとって一番辛く生きる意欲を失わさせるのは「誰からも必要とされず忘れられてしまう」ことだからです。
叱られたりすることは存在を認められているからですから、「誰からも忘れられてしまい、無視されている」より遥かにマシなんですね。

こんな詩があるのをご存知でしょうか。フランスの画家マリー・ローランサンの「鎮静剤」という詩、堀口大学訳から引用
退屈な女より もっと哀れなのは 悲しい女です。
悲しい女より もっと哀れなのは 不幸な女です。
不幸な女より もっと哀れなのは 病気の女です。
病気の女より もっと哀れなのは 捨てられた女です。
捨てられた女より もっと哀れなのは よるべない女です。
よるべない女より もっと哀れなのは 追われた女です。
追われた女より もっと哀れなのは 死んだ女です。
死んだ女より もっと哀れなのは 忘れられた女です。

人間は社会的関係の中でしか人間らしく生きられないようになっています。

 

社会的関係と言うのは人との関わりがあってこそあるものですね。家族だけの関係でなく友人を作る事です。
同じ世代の友人、場合によっては同じような障害を持った者同士ではじめて分かり合えることがあります。

 

家に閉じこもった生活では普通は家族との狭い固定化した人間関係しか得られません。
だから、家に閉じこもらずに外に出て他の人と交流する。交流して必要とされる人間となる事が大事です。

 

それは必ずしも直接人のために何かするだけとも限りません。その人の存在がなんとなくその場を和やかにしてくれる。
そのことだけで例えその人が寝たきり老人であっても、人に必要とされる存在だと言えます。

寝たきり老人で自分の事は何もできなくても、家族にとっては大事なおじいさんでありおばあさんであるだけで、
存在役割という役割を担っているわけです。

要介護になるきっかけが家に閉じこもってしまい、他の人との社会関係が希薄化し、生活の目標がなくなれば
誰でもベッドに寝る時間が長くなるものです。その結果寝たきり、認知症へと発展していく。

 

高齢者が家から出たがらなくなったら、要介護・寝たきりになるサインだと思った方が良いのです。
そして今は若くても、人との交流を避けたがる人は特に要注意です。

 

人との関係を上手く築くためには、「まず与えよ」と言いますね。人の役に立つことを自らすることを若いうちから始めることが介護予防だと思います。

 

 

 

 

 

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