野菜の固定種とF1種
家庭菜園が人気ですが、種を選ぶときにどのような注意を払っていますか?
種には固定種とF1種に分類されますが、ご存知でしょうか。この分類は単に好みで選ぶというよりも、健康に関して非常に重要な意味を持っているのです。
F1種からできた野菜には危険性について知っておいたほうが良いのでご紹介します。
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家庭菜園に向いている固定種とは
固定種というのは、採種したその種を翌年同じ時期に撒きと長年繰り返して、多くの自然の脅威や病気にも耐え抜いてきたその土地固有の野菜です。
遠い昔から色々な地域を巡ってきて、年月を経て今この土地で、ある時期になったら種を撒き、収穫して種をとる。
翌年になったらまた採った種を撒くという種ですね。
旬を食べるという言葉は、この固定種に当てはまる言葉ですし、昔はそのような種しかなかったのです。
1年中規格の揃った野菜を作るために作られたF1種とは
ところが、規格の揃った、年中できる野菜を作る形にして農工業化 して生産効率を良くした方が収入は増えます。
そのために作られたのが、固定種と固定種のそれぞれの長所を取り入れて作られたF1=一代雑種です。
文字通り、一代限りで種をとって次を作ることはできません。
今出回っている種の60%以上はこのF1種です。
ミトコンドリア異常で野菜の雄の機能に異常が出たものを利用してF1種を作ります。しかしその危険性については研究されていません。
F1種の親は遠縁の2系統です。
もとの両親よりも生育が早くなったり、大柄になったり、収量が多くなったり、
規格品ができたりと、あっという間に日本の野菜の生産量は 増加したわけですね。
しかしF1種の種をとって蒔いても、次の代の野菜は全く野菜と呼べるものはできません。
固定種の日本ホウレンソウが、9月彼岸頃トゲのある種を水に浸けてから3か月もかけて育ちお正月頃食べる冬野菜でした。
ところが今はどうでしょう。東洋種と西洋種の雑種であるF1ホウレンソウは、春でも夏でも一年中撒けて、わずか一か月で出荷できる便利さ。こういう理由で一年中ホウレンソウを食べられるわけです。
F1種は良いことだらけの筈が無い
雑種一代目は両親の優性形質だけが現れるので、個体差が無く工業製品のように形もそろいます。
今や生産効率を上げるためにF1種は農業に多大なる貢献をしている ように見えます。日夜F1種の改良をして、産地では年中同じ野菜ばかり作っています。
連作障害を防ぐために土壌は土壌消毒剤で土中の細菌、線虫、雑草の種、虫の卵など有用微生物も含めて全て殺してしまいます。
その消毒剤が抜けたら化学肥料を土に混ぜ、種子消毒されたF1の種を撒きます。芽が出たら予防のために農薬散布。しかし病原菌はどんどん耐性をつけて強くなります。
外国から新しい病害が入れば、今ある農薬は効きません。そこで遺伝子組み換え技術で細菌やウイルスが増殖しないような種を作り出しているというわけですね。
農業の工業化 → F1種+農薬+化学肥料 → 強い病気の発生 → 遺伝子組み換え技術で細菌、ウイルスが増殖しない。
安全性が疑われている遺伝子組み換え技術を、大きな農薬会社が強力に研究しています。
その筆頭はあのモンサント社です。
実際に農薬、最近、ウイルスに強い品種ができていて、いずれ私たちは安全性もわからぬままに、食べさせられることになるでしょう。
原発は100%安全の筈でしたね。同じように、遺伝子組み換え食品も100%安全と言ってくるでしょう。
原発の神話が崩れたように、遺伝子組み換え技術も人間が制御できるものでは無い領域です。
だから家庭菜園は「固定種(在来種)」で行いましょう。
今年はトマトとスイカの固定種を撒いています。10粒で300円ぐらいするんですよ。高いですね。でも次からは種は自分で採れます。種代は0円になるんです。
固定種は長い年月をかけて色々な病気に対する耐性をもっているし、
出来具合もそれぞれ個性豊かでバラバラ。一斉に収穫しないと駄目になってしまうということが無いんです。
早くできるもの、ちょっと奥手のやつ、相当遅くにできるやつ、色々な個性があるのが固定種ですから家庭菜園には向いています。
地域外から固定種をとりよせて、最初の年に上手くできなくても、一番できのよいものから種をとるとどんどんその土地に適応した、
無農薬でも、無肥料でも病気にかからず大きく育つ野菜に変化していくらしいです。
F1種が行き詰った時に、そういう種を持っているとひょっとしたら、日本の農業を救うことになるかもしれませんね。
レタスとゴボウと豆は間違いなく固定種ですが、あとは殆どF1種を食べてるでしょう。F1種は規格が揃っているだけでマズイのです。
固定種専門の種苗店が唯一あります。野口種苗研究所です。
1年で50品種がなくなるほど急速に固定種は消えています。心ある人が野口種苗から種を買って、自己採種を行って残していきたいものです。
2017年3月主要農作物種子法廃止法案が参議院で可決
食の安全は、ある意味医療よりも重要です。食の中でも農作物は種からできるので、「固定種」を大事に守ることが必要でした。
「日本古来の原種や原原種の優良品種を都道府県が管理し、農家に提供せよ」という話になります。日本の食糧安全保障、食糧自給、そして食の安全を考えたとき、これは「当然の規制」です。この種子法が廃案になったのです。
国民の命を子々孫々まで守るために、外国に牛耳らせてはならなかった「種子」。籠池問題で不毛な論議がされる中、殆ど審議もされないままに主要農作物種子法廃止法案が参議院で可決されました。
国民の健康、生命など眼中にない議員が行った所業。残念ながら国民が選んだ国会議員により採択されました。これにより、アメリカのモンサント社はじめ多国籍企業が、種子を牛耳り、種がとれないF1種の遺伝子組換えの野菜が蔓延するようになるでしょう。
固定種を密かに育てていたとしても、F1種の花粉が飛んでくると、固定種ではなくなってしまうので、もはや風前の灯と言っても良いでしょう。
政治家は自分たちのやったことの意味もわかっていないでしょう。非常に憤りを覚えます。
種を支配する者が世界を支配します。その動きが強力に日本でも起こってきたのです。