過度なストレス状態は病気直行です
過度なストレス状態は危険
ストレスは人間の成長に欠かせないものだということは前回の話から分かったと思います。問題は、それが過度で重すぎるストレスだったときに病気を引き起こす可能性があるということです。
あなたの日常生活は次のような状態ではありませんか?
① 好きだった趣味を全くやる気がしない。
これは良くわかります。私も事情があって退職した時には、プロからレッスンを受け、毎日練習していたサックスを半年間全く吹く気にならず、触れることもしませんでした。今は少し吹いていますが。
②外出するのも億劫で家から出たくない。
③何をするのも億劫でやる気が出ない。
④何かしようとしても、焦ってうまくできない。
⑤食欲、性欲が低下する。
⑥体がだるい
⑦眠れない。眠りが浅い。
⑧肩こりがひどい。片頭痛になることもある。
⑨自分をマイナス評価する。自分がつまらない人間に思える。
⑩家族や、職場、近隣の人たちが自分をどう思っているか気になる。
⑪周囲に気を使うが、イライラして腹が立つことが良くある。
⑫家族にさえ、うち溶けて接することができない。
⑬ 過去の出来事や過去に出会った人に罪悪感をもつ
さあどうでしょう。この中でいくつか当てはまれば、ストレスから来る病気になるか、既に病気になっているかもしれません。
ストレスによる心の病気
1. うつ病
なぜうつ病になったかと問うよりも、どうしたらよいかを考える方が大事です。原因は良くわかっていないからです。うつ病の診断自体も強い落ち込みが2週間続いているような状態像から診断する場合と内因性うつ病など従来の診断があるなど混合しているのが現状です。
脳の状態とと精神症状のはっきりとした 関連性は仮説の域を出ませんが、神経伝達物質が上手く働かなくなっている。抗うつ薬はセロトニンやノルアドレナリンなどの神経伝達物質を増加させる働きがあります。
薬も症状を幾分か抑える程度の働きしかなく、治療においては初期の段階と言えます。
認知療法の立場からは、人生の経験の中で否定的思考パターンが固定化したことがうつ病と関連しているといわれています。
精神症状:「抑うつ状態」「興味や喜びの喪失」「ボーッとしている」「不登校」「運動能力と記憶力が低下し勉強ができなくなる」「自分には価値が無いと感じる」「自殺念慮」「パニック障害」
(パニック障害の患者は一生の間にうつ病になる割合が50~65%もいるといわれる。)
身体的症状:「睡眠障害」「頭痛」「疲れやすい」「急性・慢性胃炎」「 胃潰瘍」「摂食障害」「体の痛み」
訴え:「食べる気がしないし痩せてしまった。眠れず、イライラしてじっとしていられない。」「変に食欲が出て、食べ過ぎていつも眠たくなり寝ている時間が長くなり、体を動かせない」
うつ病の8割に不眠が1割に過眠が見られます。
その他:人との付き合いをさけるようになって、対人関係が悪化しますますうつ病が悪くなるという悪循環に入りやすい。
「うつ状態」と「うつ」
うつ状態だからうつ病とは限りません。一過性の心理的ストレスによるものもある(心因性うつ、適応障害、急性ストレス障害、心的外傷後ストレス障害(PTSD)
自律神経失調症 などがあります。
2.神経症
抑うつ神経症=心因性うつ、パニック障害(不安神経症:例 電車に乗ると心臓の動悸が強く打ち発作状態になり電車に乗れないなど)、強迫神経症(脅迫ではない。
バカバカしいとわかっていても繰り返しある行為をしてしまう。たとえば不潔恐怖は周囲のもの全てが汚いと感じ、しょっちゅう手を洗っている。家の鍵を閉め忘れたのではないかと何度も何度も確かめないと気が済まないなど)
うつ病の話題が長くなってしまいましたが、ストレスが原因で「うつ病」が起こる可能性があるのです。
じゃあどうしたら予防できるのか、どうしたら改善できるのかということについて次回から触れていきましょう。