ストレスに打ち克つたくさんのストレスコーピング
ストレスコーピングはストレスへの対処法です。ストレスを無くすことはなかなかできないことですから、ストレス状況、ストレス反応、人間関係に上手に対応できれば、ストレスマネジメント力を強化できます。
そのためには、自分が実行できるストレスコーピングのレパートリーを沢山持ちましょう。ストレスは多様ですから、レパートリーが多いと、ふさわしいストレスコーピングで上手く対応できるようになります。
具体的なストレスコーピングは前回の気分転換やリラクセーション、運動などで触れましたが、もっともっと沢山あります。
認知の歪みがストレスを過大にする
認知の歪みは親子関係から生じることが多いのですが、こんなに苦しいのは親のせいだ、親が憎いという気持ちも受け入れてよいのです。
乳幼児期の親子関係が人生の基本的態度を作り上げてしまうことは良く知られていることです。
明確にはっきりとしたものではないが、親に対してわだかまりがある、憎いという気持ちがある場合には、逆に親が好きだ、親となかよくしたいという気持ちも同時にあります。
愛と憎しみは同じことの裏返しですから、愛が強いから憎しみも強くなります。その両方の気持ちがあることを認めることが出発点のように思います。
もう一度親子関係を修復していくためには(もちろん無自覚な人も多いのですが)、親が嫌い、憎いという気持ちを認め、一方で親のことを悪く思いすぎたと思えば感謝を言葉や態度に表したり、プレゼントをすればバランスがとれるというものです。
内観法で認知の歪みを修正する。
「内観療法」といって、静かな環境で今まで親にしてもらったこと、して返した事、迷惑を書けたことを数日間考えていると、あれほど憎かった親が実際には自分のために色々な事をしてくれた事を思い出し、感謝の気持ちが生まれるそうです。
それにより「私はOKではない」という基本的態度が「私はOKだ」と変わり、生まれ変わったようになることもあるようで、それこそ人生が良い方向にすすんでいくターニングポイントとなる出来事です。
この療法は吉本伊信と言う方が始められた日本で生まれた療法です。実際には一週間の間内観をします。そのような研修所で行うのが一番ですが、毎日10分でも20分でも時間を持ちたいものです。
もしも誰かが憎いとか嫌いだとか思っている時、その人があなたにとってとても大きな存在であれば、その人があなたにしてくれたことをじっくりと思い出す時間を作ることをおすすめします。
あなたのためにしてくれたことは必ず一つや二つはあるはずです。
私は昨年退職し、トップの非人間的な面に対してとても反感を持っていました。憎いというか、人間として許せないそんな気持ちでした。それが爆発した形で退職をしたのです。ところが最近になって、許したわけではないんですが、私に対してしてくれたことを色々と思い出すようになってきました。
もう二度と会うつもりはありませんし、やはりつきあうべき人間では無いと思うのですが、どんな人間にも良いところは必ずあるということです。
それが近い人間であれば感謝の気持ちが生まれてくるでしょう。
ストレスコーピングのひとつとして「内観」であなたがどうしてもわだかまりを持っている人があなたにしてくれたことを思い出してみることをおすすめします。
その効果をあげてみます。
内観体験者を調査したところ、自己発見に成功した人たちには、次のような効果が表れています。
1.情緒が安定する。
2.思いやりが出てくる。
3.責任感が強くなる。
4.対人関係が好転する。
5.意欲が向上する。
6.本来の自己を取り戻して自分らしさを発揮したり、自己の新しい可能性に気がつき、実現への努力をする。あるいは人生の目的や使命を自覚する。
7.その結果として、人間関係の不和、非行、不登校、うつ状態、アルコール依存、心身症、ギャンブル依存などの心の問題が解決したり、症状が改善することがある。
8.残念ながら、1週間研修しても自己発見が進まない人もいます。しかし、それが肥料となって、次の研修で花開いたり、ずっと後になって効果が出てくることもありますから、長い目で見ることが必要です。
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