ファイトケミカルを沢山含んだ大葉をプランターで育ててみよう
ファイトケミカル(フィトケミカル=抗酸化物質)は7つの栄養素として最近注目されています。
注目すべき点は、以下の3つがあります。
- 抗酸化作用 :色々な病気や老化の原因である活性酸素の中和。
- 抗ガン作用 :ガンを誘発する活性酸素に作用し、免疫細胞も活性化する。
- 免疫力強化 :活性酸素から免疫細胞を守ったり、腸管に作用して免疫細胞数を増加、活性化する。
ファイトケミカルとは
私たちが生命を維するのに必要な5大栄養素は、炭水化物(糖質)、タンパク質、脂質、ビタミン、ミネラル。
そして、最近注目されているのが、第6の栄養素として食物繊維、第7の栄養素がファイトケミカルです。
ファイトケミカルは必須栄養素ではないので、摂取しなくとも欠乏症が起こることはありませんが、積極的に摂取すると健康維持や改善に役立つと言われています。
ファイトケミカルって健康に相当役立ちそうなので、色々とみていきましょう。
ギリシャ語の、植物=phyto(ファイト)と化学物質=chemical(ケミカル)、植物性化学物質のことを言います。
これまで、ファイト=fight=闘うと勘違いしていました。活性酸素と闘うのではなくて植物のという意味なんですね。
このファイトケミカルは、野菜、果物、豆類、芋類、海藻、お茶、ハーブといった植物性食品に含まれる、アク、色素、香りなどの成分から発見された栄養素です。
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ファイトケミカルには6種類あります。
●ポリフェノール系
<抗酸化作用>
- フラボノイド(色素) :アントシアニン、イソフラボン
- フェニルプロパノイド :セサミノール
- シゲトン類 :クルクミン
●有機硫黄化合物系
<抗酸化作用、解毒作用、免疫力向上>
- イソチオシアネート類 :スルフォラファン
- システインスルホキシド類 :メチルシステインスルホキシド
- スルフィン類 :アリシン
●テルペノイド系
<抗酸化作用、抗アレルギー作用>
- 非栄養系カロテノイド類(色素):ルテイン、リコピン
- モノテルペン(香気成分) :リモネン
- ステロイド :フィトステロール
●糖関連化合物系
<免疫力向上>
- 多糖 :β-グルカン
- 配糖体 :サポニン
●長鎖アルキルフェノール誘導体(辛味成分)系
<体熱生産作用>
- カプサイシン
- ギンゲロール
ファイトケミカルの上手な摂取方法は、食材の色素に沿って、赤、橙、黄、緑、紫、黒、白の7色をバランスよく食べることです。
一般的に野菜を食べる場合、サラダや野菜ジュースにする事が多いと思います。ファイトケミカルは、食物繊維の固い細胞内部に存在するので、効率よく摂取するには、噛む、刻むなどではなく煮ましょう。
ファイトケミカルは加熱しても破壊されにくいのが特徴で、煮出したスープには、10~100倍もの抗酸化作用があると言われます。
●赤
- リコピン :トマト、すいか。抗酸化力が強い
- カプサイシン :唐辛子。体を温め、脂肪燃焼効率アップ。
●橙
- βカロテン :にんじん、かぼちゃ、大葉。体内でビタミンAに変換。免疫力アップ。
●黄
- ルテイン :とうもろこし、キウイ、ほうれん草、ブロッコリー。目の健康に有効。
●緑
- クロロフィル :ほうれん草、ピーマン、オクラ。抗酸化作用、殺菌効果、抗アレルギー作用。
●紫
- アントシアニン(ポリフェノールの一種) :ブルーベリー、黒豆、茄子、ぶどうの皮。目の健康を維持する。
●黒
- カテキン :緑茶。抗菌作用をもつ。
- クロロゲン酸 :じゃがいも、ごぼう、コーヒー豆のアク。活性酸素除去作用、血糖値抑制作用。
●白
- メチルシステインスルホキシド :ニンニク、ネギ。免疫細胞を活性酸素から守る。
- イソフラボン :大豆などの豆科植物。動脈硬化や高血圧、骨粗しょう症の予防、自律神経バランスを整える。
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大葉の栄養成分
ファイトケミカルはいろいろな植物に含まれています。
その中の大葉に注目。
大葉はβカロテンが豊富なカロテノイド系のファイトケミカルです。
さらに、強い抗アレルギー、抗炎症作用があるルテオリンが含まれているので、フラボノイド系のファイトケミカルとも言えます。大葉の栄養成分をみてみましょう。
- ビタミンB1 ・ビタミンB2 ・ビタミンB6
- ビタミンC ・ビタミンE ・ビタミンK
- βカロテン ・カルシウム ・鉄 ・カリウム ・マグネシウム ・亜鉛
大葉は不足しがちな栄養素、ミネラル類、香り成分などが高く、民間療法に利用されるほどの効能があります。
大葉の効果
●防腐作用、殺菌作用
大葉といえば香り。
香りの元は、ぺリアルデヒドという成分で、防腐作用、殺菌作用があります。
お刺身に添えられているのは、防腐・殺菌作用があるからで、生魚にあたることを防ぐ効果があります。
●健胃作用
さらに、ペリルアルデヒドは、臭覚神経を刺激し食欲を増進させるほか、健胃作用もあります。
●アレルギー抑制
大葉にはα-リノレン酸が含まれ、体内でEPAに変化し、免疫を正常化するはたらきをします。
アトピー性皮膚炎や花粉症といったアレルギー症状を緩和してくれます。
●ガンの抑制
大葉に豊富に含まれるβカロテンの量はトップクラス。にんじんと同程度、かぼちゃの10倍以上です。
βカロテンは、抵抗力を強くし、抗酸化作用もあるので、ガン予防や老化予防に効果を発揮します。
更に、豊富なビタミンCにもガン予防作用があります。
●貧血予防
大葉には鉄と、鉄の吸収を助けるビタミンCが多いことから、貧血予防にも有効です。
●ダイエット
大葉はカロリーが低く栄養価が高いダイエット食です。
また、カリウムが利尿・発汗を促し、水分代謝を良くします。
●精神安定作用
大葉に含まれるカルシウムは、精神安定作用があります。
大葉の食べ方
●大葉のスムージー
<材料>
- 大葉 :10枚
- 小松菜、バナナなどの季節の野菜や果物 :お好みで
- 水か牛乳(豆乳) :お好みで
<作り方>
- 1、大葉、野菜、果物を刻みます。
- 2、ミキサーに1と水をいれ、スイッチON、スムージーにします。
- ここにテキストが入ります。
●にんにく大葉みそ
<材料>
- にんにく :100g
- 大葉 :20枚
- 味噌 :300g
- ごま油 :大さじ3
- 酒 :大さじ4
- みりん :大さじ2
- はちみつ :大さじ3
<作り方>
- 1、にんにく、大葉をみじん切りにします。
- 2、フライパンにごま油を入れ、中火でにんにくがきつね色になるまで炒めます。
- 3、大葉を加えさらに炒めます。
- 4、味噌と酒、みりん、はちみつを入れて、弱火で15分ほど煮詰めると完成です。
- 5、あら熱をとって、冷蔵庫で保管しましょう。
●トマト&大葉のサラダ
<材料>
- トマト :1個
- 大葉 :5枚
- ごま油 :お好みで
- 醤油 :お好みで
<作り方>
- 1、トマトは一口大、大葉は手でちぎります。
- 2、トマトと大葉をボウルに入れ、ごま油と醤油をかけます。
ファイトケミカル豊富な大葉をプランターで簡単に育てる
ファイトケミカルを沢山含んだ大葉は、栽培初心者でもOKの野菜です。
- 虫に強い
- 病気にかかりにくい
- 半日日陰でも育つ
葉だけでなく、穂、実、種、すべて食べられ、大きく成長します。
プランターに1株あるだけで、1年中困りませんし、翌年からこぼれ種で増えます。
第2世代の種から育った大葉は、病気にかかりにくく、虫が付きにくいと言われています。
それでは、大葉を育ててみましょう。
●苗の植え付け
苗から育てると楽に育ちます。苗を購入したら、すぐに植え付けて下さい。
<用意するもの>
- 65型プランター
- 大葉の苗2株
- 土
- 元肥
65型プランターに元肥を施した土を入れ、株間を最低でも20cm以上開け、苗を植え付けましょう。
*65型プランターとは縦幅や深さは関係なく横幅65cmのプランターのことです。
●種まきする場合
- 発芽気温は、20℃~25℃。
ビニールポットに蒔き発芽させた後植えつけるか、プランタにばら撒きします。
種は好光性なので、約5mm程度薄く土をかけないと発芽しません。 - 発芽後、混み合ってきたら間引きが必要です。
込み合ったままにしておくと成長しませんので、65型プランターに2株を目安に間引きしていきます。
●追肥
丈が20cm位になったら、2週間に1度の間隔で、窒素成分が多い肥料を追肥します。
●摘心
葉を多く収穫するため、20cm程の高さまで成長したら、成長点を切る摘心を行います。
摘心すると、横に脇芽を伸ばしドンドン成長していきます。
●収穫
葉を収穫していきましょう。
●病害虫について
- 虫に強いと言っても、肥料の与えすぎには注意が必要です。栄養を与えすぎるとアブラムシが付きます。
アブラムシやハムシが付いてしまったら、早めに駆除して下さい。 - 摘心をしないと、小さく弱くなる上収穫量が減ります。
- 風通しのわるい状態にすると、サビ病にかかる場合がありますので、随時収穫していきましょう。
- バッタがたくさんいる場所では、バッタによる食害もあります。
まとめ
大葉は、しそ科しそ属の1年草。大葉は和食で使う機会が多い日本のハーブです。抗酸化作用があり、アンチエイジング効果が期待されるファイトケミカルを沢山含み、注目されています。
薬味や刻んで料理に使ったり、そのまま香り付けにつかったり、いろいろな利用方法があり、初心者でも育てやすいのも嬉しいところです。